小学生から友達のカンコロがいた
カンコロは小さい頃、背の低かった私と同じく背が低くて、自信家で嘘つきな奴だった。
確実に嘘つきと気付いたのは、中学生になってからだ。
小学生の頃は、知ったかぶりだったので、物知りでおもしろいことを考える奴だと思っていた。
小学生のある日、カンコロの家で遊んでいたら、奴の方から「今日、泊まっていったら?」と言うので、友達の家に泊まるなんて初めてだったから、テンションが上がり、自宅に着替えを取り帰り、親の許可を得て戻ってきたら、浮かない顔のカンコロとその母親。
なぜか私が泊まると言い出したことになっており、母親が「今日は夜に親戚が来る」と言って「お泊まりはできない」と私を説得してきた。
誘ってきたのはそっちなのに、テンション上げられた後、見事に下げられた。
普通に「お泊まりはできない」と言えばいいのに、親戚が来るというあからさまな嘘を付かないでほしいと子供心ながら、そう思った。
はじめて嘘つきの予感がした時だった。
確信になった出来事
中学生になり、また奴の家で遊んでいたら、母親がカンコロに「通信簿はまだもらっていないの?」と尋ねて来た。
通信簿は数日前に全校生徒に配布され、受け取っている。
「いや、まだ」と言いつつ、私に「ねぇ、まだもらってないよね」と共犯を装うみたいに投げかけてきた。
とりあえず「う、うん」と言ったが、その時、こいつは確実に嘘つきだ!と確定した。
いずれは親に見せないといけないのに、後に伸ばしてどうするのだろう?と思った。
高校受験で青ざめる
公立の高校受験は、遊んでいた友人みんな同じ高校を受験した。
受験後、カンコロや別の友達も試験は、自信満々という感じだった。
私は教室の一番前の席で試験を受け、最悪なことに試験官の先生が教室を見回らずに、私の前でこちらを向いて座ったまま動かなかった。
ずっと見られている感じがして、試験中プレッシャーを受け続けた。
精神的に参ってしまい、得意の数学がうまくできなかった...。
その後は開き直って、目の前の試験官は気にせず、やり終えたが、実力を発揮できなかったことを悔やんだ。
私立は絶対合格できるように、ランクが低い高校を受験していたから、公立高校の受験に失敗したら、おバカな高校に行かないといけない...と絶望を感じていた。
合格発表の日、みんなで高校へ見に行ったら、私は合格しており、自信満々と言っていた連中はみんな落ちていた。
「くっそ〜、絶望を感じていた合格発表までの日々はなんだったんだぁ」
「なにが満点取れたかもっだ!嘘つきやがって!」と怒りが込み上げてきた。
さらに、カンコロが私は「まぐれで合格した」とか言っていたそうだ。
高校に通い出して、成績が上位(最初の方は)だとわかって、全然まぐれじゃないわ!
お前らが単にバカだったんじゃないかぁ〜っ!と言いたかったけど、口喧嘩では負けそうなので言わなかった。
通う高校が変わってから、カンコロとはほとんど会わなくなった。
中学生の頃、嫌なことを言ってきたり、威張っていた奴らで、高校受験失敗した連中と会うと気まずそうにそそくさ歩いていくのだった。
高校受験失敗は、かなりの敗北感を味わうみたいだった。
そんな私は高校生になってから、勉強をしなくなったので大学受験は失敗するのだった...。
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