子育て日記|子供は小学1年生

小学1年生になる子供の関心や悩みを一緒に考えます。小学6年生になりました。中学受験へ向けて勉強中!

世にも奇妙な物語でありそうな話|その3

白いカラスの話を妄想していた。
しかし、書きかけて途中でやめていたみたいだ。
新たに考えながら書き足してみました。

白烏

シロカラス

心地よい風が吹き落ち葉が舞い落ちる中、俺は色褪せた秋空を眺めながら横たわっていた。
小さな神社の軒先で、顔は傷だらけで、カラダのあちこちがズキズキと痛んでいる。
高校を中退した俺は毎日ケンカにあけくれていた。
とくに格闘技をかじっていたわけでもなく、ガタイもいいわけでもない。そんな俺はケンカがたいして強くなかった。
それなのに誰かれ構わず、怒りを他人にぶつけ、ケンカをふっかけ暴れていた。だから、いつも生傷が耐えなかった。
ケンカの後は、決まって神社に辿り着いた。なぜか妙に落ち着くのだ。
幼い頃から、何かあると神社に来ていた。嫌なことがあった後に訪れるのが正解かもしれない。
この神社には、ほとんど人が来ないし、心が落ち着く。
人のいないこの空間は、時間が止まって感じる。いつもなら1、2時間経って帰るのだが、今日はいつの間にか眠ってしまったようだ。そして、いつしか夢を見ていた。

白く渦を巻いた煙の中を歩いていた。光が射す方向に向かって進んでいると、人物らしき人影がぼんやり見えてきた。頭の中におじいさんらしき声が響いてきた。

「ずっとお前を見てきた。なにかの縁だと思い、この先もお前をずっと見てやるつもりだった。しかし、そうもいかなくなった。
もうすぐこの山が削られ、ここもなくなってしまう。私は祖神様とご一緒に天界へ行くことになった。
私は、時映の玉を持っているおかげで少し先の未来が見える。この場所がなくなったお前は、心が浄化されず、鬼と化して人を◯めてしまうのだ。
私にはどうすることもできん。だからせめて、祖神様からいただいた取替酒場でお前を鳥に変えてやる。
本来は、よき行いをした動物を人間に変える道具だ。それを逆の使い道をするとは思いもせんかった。

仕方ない。お前のためだ。ただし、お前が人の役に立った時、元の人間の姿に戻るようにしておく。
今まで人の役に立ったことのないお前が変われるかどうかによることだ。人に心から感謝された時、お前はどう変わるか。
それは私にもわからん。変わるか変わらんかはお前次第だ。地道に精進せよ。
遠くからお前がわかるように白くしておく。よって隠れることはできん。私は遠くからお前を見ている。ずっとずっと見ておるぞ。」

小鳥の鳴き声で目が覚めた。どうやら朝になったみたいだ。
カラダの感覚がおかしい。見えるものも変だ。照準がなかなか合わない。なんとなく合ってきたが、カラダが異常に軽い。何かを着ているのか、手が羽に見える。どうなっているんだ。
よろめきながら、なんとか立ち上がったが視界がかなり低い。声を出そうとしたら、変な鳴き声が出た。まるでカラスの鳴き声だ。
何がなんだか分からないでいたら1羽のカラスが襲ってきた。痛っ!
大きな鳴き声を出しながら固いクチバシでつついてくる。無我夢中で神社の軒下に逃げ込んだ。
しばらく鳴き叫んだ後、カラスは飛び去っていった。

ここまで書いて保留にしていた。
以前、ストーリーを頭の中で描いていたのに、すっかり忘れてしまった...。
よって、考えていた話とは違ってくると思うが続きを書いてみました。

それから、池に映る自分の姿を見て、白いカラスになったとわかった。
白い姿は目立ち、黒いカラスたちによく追いかけられた。

その後は飛び方を覚え、襲ってくるカラスたちに反撃した。
傷ついても怯まずに戦い続けたせいか、次第にカラスたちが襲って来なくなった。

それから2年が経ち、ある電信柱の上が俺の特等席になった。
道が見渡せ気持ちいい場所だ。神社が取り壊されるのも見えた。
切なかったが、白いカラスになった今ではどうでもいいことだ。
人間の頃とは違い、俯瞰で物事を見れるようになったのかもしれない。

同じ時間に1人で通る小学生の男の子が気になった。
見たところ、いじめにあっているようだ。
いじめにあっても威勢がよく、負けん気だけは強い。
昔の自分を見ているかのようだった。それで気になったのかもしれない。

ある時、少年のランドセルに付いていた小さなぬいぐるみらしきものをいじめっこ達が取りあげ、池に放り投げた。
少年はそれを取りに池に飛び込んだ。しかし、少年は泳げなく、手をバタバタしながらおぼれている。

俺は慌てて少年の元へ向かい、襟をくわえて飛ぼうとするが、重くて運べない。
とっさに「カァ〜、カァ〜」と注意喚起を知らせる鳴き声をあげ、周辺をカラスを集めることにした。

次から次にカラスが集まってきた。
俺が少年を運んでいる仕草をしたら、カラスたちも一緒に運んでくれた。
なかには、子供の手を噛んでいたやつもいたが、緊急事態だ、仕方がない。
なんとか運び上げ、少年はゲホゲホと咳き込んでいる。
俺はぬいぐるみをくわえてきて、少年の横に置いた。
それから、子供をエサと勘違いしているカラスがいそうなので、鳴き声をあげ、今度は逃げろ!の合図をした。
カラスたちが一斉に飛び立った。

ここで終わる俺ではない。
それから、逃げていったいじめっこ達を追いかけた。
少し離れていたところで様子を見ていたやつらを発見した。
今度は「カァ〜、カァ〜、カァ〜、カァ〜」と威嚇の鳴き声をあげた。
そうしたら、みるみると空が暗くなるほどのカラスたちが集まってきた。

いじめっこ達は驚いて、また逃げ出した。
「おいおい、逃げんじゃね〜よ」といじめっこ達に鋭いスピードで真っ直ぐに突っ込んだ。
上空のカラスたちも俺についで、飛びかかった。
空から黒い塊が落ちてくるようだった。

「痛い、痛い!」いじめっこ達はカラスにつつかれて、泣きながら走っている。
最後、一番大将らしき子供の後頭部めがけてぶつかった後、足の爪で思いっきり掴んだ。
「ぎゃぁ〜〜!」
「これぐらいにしておくか」と、逃げろの鳴き声をしたら、カラスたちは徐々に飛び去っていった。

一息おいて、電信柱の上に戻った。
「もぅここには居られないなぁ」と思った。
カラスたちを利用したことで、お礼をしないと俺が襲われてしまう。
あの数のカラスにお礼なんてできないから、別の場所へ移動することにした。
人間に戻らないってっことは、最後のは、やり過ぎたってことだ。

「さて、いつかは人間に戻れるのかな」と白いカラスは夕陽に向かって飛び立った。

スポンサーリンク
 

スポンサーリンク