チキンライスと童夢、そしてファミコン
切ないクリスマスプレゼント
私が子供の頃、クリスマスに小さなショッピングモールへ家族で出掛けた。
クリスマスプレゼントに何かおもちゃを買っていいとのこと。
人生で一度しかない、かなり珍しい出来事だった。
私は遠慮してトミカのミニカーを1つ選んで買ってもらった。
ダウンタウンの松ちゃんのチキンライスの歌詞のような気持ちだ。
欲しいおもちゃはたくさんあったが、高いものを選んだら「ダメ」と言われそうだし、そもそもおもちゃを買ってくれない親だったので、控えめに選んだのだった。
その直後、兄は液晶ゲームを買ってもらったのだ!
はぁ? 金額は10倍以上違う。
私は愕然とした...。
さすが卑怯な兄だ。私に先に選ばせておいて、自分は高額なおもちゃを選ぶ。
私が後に選んだら、私も高額なおもちゃを選ぶから、2人とも買ってもらえない可能性があるからだ。
やはり、自分も遠慮せずにおもちゃを選びたいと訴えたが、時はすでに遅し...。
ぎゃん泣きするも、兄びいきの両親なので、まったく聞く耳持たず。
粘って何とかトミカのミニカーの一回り大きな童夢を追加で買ってもらった。
だけど、とくに童夢を欲しかった訳ではないので、切なさだけが残った。
当然、液晶ゲームは兄がメインで遊び、なかなか貸してくれなかった。
優越感に浸る兄なので、予想はできていた。
まさかのファミコンゲット!
その後、父と2人で買い物に出掛けた際、まさかの任天堂のファミコンを買ってくれたのだ!
売り切れが多い時だから、最後の1台で展示品だった。
「えっ? 買っていいの?」と何度も父親に尋ねたのを覚えている。
よほど父親の機嫌がよかったのか、最初で最後のファインプレーだった。
テンションはMAXに!
絶対、買ってくれないと思っていたファミコンを私が手に入れた。
当時、最強のお宝を手に入れたようなものだった。
だが、兄にだけは奪われないようにと警戒した。
液晶ゲームを貸してくれなかったり、いろんな恨みが山積みだからだ。
私が居ない時に勝手に遊ばれないように、常にコンセント部分だけを隠した。
私の少しの優しさからコンセントは別に見つかってもいいように、いつも母の鏡台の引き出しに入れていた。
私のところに隠さず、母のところに隠したから、意外と見つけられなく、苦戦していたようだった。
初期の頃は、私が独占していたけど、次第にドラクエやFFを兄が遊んでいた。
そのゲームで、兄は将来、離婚することになる。
結婚したけど、家事を一切手伝わず、ゲームをやり続けていたようだ。
このような思い出から、童夢の車の画像を見かけると、この頃のことを思い出すのであった。
スポンサーリンク